家族信託 (家族のための信託)
新しい相続のかたち
⑲ 「長男が母の財産を独り占め」 委任契約の弱点 |
⑱ 空き家問題、地域力と家族信託で解決を |
⑰ なかなか理解されない「信託財産」の取り扱い |
⑯ 遺言では守れない 障害がある子どもの一生 |
⑮ 今こそ、親族後見人に対する教育と支援を |
⑭ 「遺産分割は妻に一任」 信託ならできる |
⑬ 全財産を妻に残したい それを可能にする仕組み |
⑫ 自分の死後 ペットの命を安心して託す仕組み |
⑪ 後見制度の落とし穴 先祖代々の土地が売却され… |
⑩ 遺留分が消える 信託ならできる特殊な資産承継 |
⑨ 「悪魔のささやき」で取り消される 遺言の弱点 |
⑧ 遺言を「遺書」だと考える人へ 家族信託の選択を |
⑦ 成年後見制度、本人の運命握る医師の診断書 |
⑥ 遺言だけでは… Sさんが事業承継に失敗した理由 |
⑤ 消えた相続財産 後見制度の無知が招いた悲劇 |
④ 認知症で家の建築が中断 後見制度の限界 |
③ 信託ならできる 孫のやる気を引き出す非課税贈与 |
② 安易な節税策で狂った設計 遺産分割を後悔 |
① 安心して資産を残す仕組み 家族信託を考える |
家族信託とは
家族信託は
❶ 多くは、高齢者、認知症の方や障害をもつ方(知的障害者や高次脳機能障害者等)など財産管理のできない人を支援するために活用します。
知的障害者のお子さんに財産を相続させたい、認知症の配偶者が財産管理ができないので負担付遺贈を考えたいなどの事例では、家族信託を活用して、これらの人の生活や福祉をしっかり護ります。
❷ 家産や事業用財産の確かな承継(円滑な承継)のために活用します。
会社の創業者や奥様が高齢で、事業の経営はもとより株式の議決権を適切に行使できなくなったので、確かな事業承継を考えて会社に貸与している不動産などを後継者に信託譲渡したい。だが、後継者には、まだ株式は渡したくないなどの悩みを解決します。
❸ 第一次相続では遺産分割をせず第二次相続で財産分割を行い配偶者等の生活の確保と公平な相続を実現するために利用します。
❹ 社会貢献等を考えた財産の活用のために利用します。
空き家になる不動産につき家族信託を利用し、収益性のある財産として活用するとともに課税問題をも解決し、かつ地域のためにも役立てたい。
❶ 多くは、高齢者、認知症の方や障害をもつ方(知的障害者や高次脳機能障害者等)など財産管理のできない人を支援するために活用します。
知的障害者のお子さんに財産を相続させたい、認知症の配偶者が財産管理ができないので負担付遺贈を考えたいなどの事例では、家族信託を活用して、これらの人の生活や福祉をしっかり護ります。
❷ 家産や事業用財産の確かな承継(円滑な承継)のために活用します。
会社の創業者や奥様が高齢で、事業の経営はもとより株式の議決権を適切に行使できなくなったので、確かな事業承継を考えて会社に貸与している不動産などを後継者に信託譲渡したい。だが、後継者には、まだ株式は渡したくないなどの悩みを解決します。
❸ 第一次相続では遺産分割をせず第二次相続で財産分割を行い配偶者等の生活の確保と公平な相続を実現するために利用します。
❹ 社会貢献等を考えた財産の活用のために利用します。
空き家になる不動産につき家族信託を利用し、収益性のある財産として活用するとともに課税問題をも解決し、かつ地域のためにも役立てたい。
●「信託」とは、信託を設定する者(委託者)が、自分が持っている一定の財産を別扱いとして、信頼できる者に託して名義を移し、この託された者(受託者)において、その財産(「信託財産」)を設定者が定めた一定の目的に従って管理活用処分など必要な行為を行い、その中で託された財産や運用益から利益を受ける者(受益者)に生活費等として給付しあるいは財産そのものを引き渡して、その目的を達成する法制度です。
この仕組みを達成する手段(信託を設定する法律行為)は、契約(信託契約)、遺言(遺言信託)と自らの宣言(自己信託)の3種類があります。
●「家族信託」は、相続や遺贈という法の仕組みを使わずに、財産を特定の人に承継させ遺贈などができます。もちろん、相続人の遺産分割は不要です。
また、家族信託は、後見制度ではできない本人の財産を本人だけでなくその家族のために使い、家族を護ることもできます。したがって、成年後見制度では実現が困難な、財産を家族のために、さらには本人のために思いどおりに(後見人の支配を受けずに、また家庭裁判所の監督を受けずに)財産を使うこともできます。この家族信託制度を利用すれば、金融資産は成年後見制度の後見人制度支援信託の対象財産から外れます。したがって、本人に成年後見が開始されても、信託財産である金融資産が家庭裁判所の管理(指図権)下に置かれることもありません。
最近の家族信託の相談事例
相談1―1
Aさんが死亡。相続人は、後添えの妻Bさん、前婚の子CDEさん。
遺産分割で、Bさんに、自宅建物を相続させる負担として、Bさんを委託者兼収益受益権を有する受益者、長男のEさんを元本受益者(残余財産受益者)とする信託契約を締結。
(登記済)
Aさんが死亡。相続人は、後添えの妻Bさん、前婚の子CDEさん。
遺産分割で、Bさんに、自宅建物を相続させる負担として、Bさんを委託者兼収益受益権を有する受益者、長男のEさんを元本受益者(残余財産受益者)とする信託契約を締結。
(登記済)
相談2-1
Sさんは、先祖から引き継いだ数多くの土地、家屋を有する。高齢になり、信託を設定し、長男一家(長男、さらに孫の男児)に家とく承継させたい。
長女は、家とく承継信託については、同意している。信託法91条を活用し、後継ぎ遺贈型受益者連続信託契約を締結することで、合意。
この場合、第1次相続(Sさん死亡時)では、長女さんに遺留分が発生する。
相談2-2
不動産賃貸業を営んでいるSさん、健康を害し、老人ホームに入所。
不動産の管理を後継者である、長男に、信託を活用して任せたい。。
不動産賃貸業を営んでいるSさん、健康を害し、老人ホームに入所。
不動産の管理を後継者である、長男に、信託を活用して任せたい。。
家族信託の役割
家族信託は、この遺言相続制度や後見制度に代替する機能を有しています。
家族信託は、成年後見制度では達成できない家族(第三者)のために本人の財産を福祉等のために思い切って使えます。成年後見制度では後見人は、本人の財産を家族を含む第三者のために自由には使えません。しかも、最近では本人のためにも思うように使えなくなっています。
家族信託は、成年後見制度では達成できない家族(第三者)のために本人の財産を福祉等のために思い切って使えます。成年後見制度では後見人は、本人の財産を家族を含む第三者のために自由には使えません。しかも、最近では本人のためにも思うように使えなくなっています。
家族信託は、遺言や成年後見制度の制度に代わるもので(ただし、すべてが代替するものではありません)、まさに家族の安定した生活と福祉を確保する財産の管理活用の制度であり、また大事な財産をしっかりと大切な人や後継者に引き渡すための財産承継の制度であって、これを一つの仕組みで達成するものです。
信託にはさらにさまざまな機能があります。
特に、民法の法理ではできない「受益者連続」「後継ぎ遺贈」という仕組みが活用できます。家族信託とは、財産管理もできない本人や親族のための制度ですが、この信託は、少し難しい制度です。しかも、我が国では、信託制度を理解している人は少ない。だが、この制度は、必要な人に着実に活用され始めています。
このように、福祉信託を中心に家族のために、広く財産を「守る(保全管理する)」「活かす(活用する)」そして「遺す(贈与承継する)」ためにこの制度が利用されているのです。
家族信託の相談
信託制度は、その法制度が少し難しいので、初回の相談は無料にしてあります。
できれば、相談にお出でになる前に、どんな制度なのかはこのホームページを見ていただければありがたいです。
できれば、相談にお出でになる前に、どんな制度なのかはこのホームページを見ていただければありがたいです。
信託制度では、財産が受託者の名義になりますが、もちろん、受託者の固有財産になるわけではありません。また、スキームによっては、障害を持つお子さんを護るために、40~50年の期間活用する制度でもあり、長期の制度活用に不安を持たれるかもしれません。さらに、税の問題もあります。このため、家族信託を利用する場合には、信託制度を十分に理解し、しかもスキームを確実に組み立てられる実務にも強い専門家に相談し、その信託設定のための書面を制作すべきです。
信託は特異な法制度です。
信託の勉強をはじめられた方の中には、信託で何でもできると、誤った考え方をしている人もいます。信託を活用するときは、正しいことに利用する考えを持つ必要があります。
信託は、設定後には受益者と受託者の信認関係(信頼関係)が必要ですが、嘱託人の中にはこの信認関係のない信託を設定しようとするものもいます。また、財産隠しを狙ったスキームを強引に設定しようというものもいます。詐害信託のおそれのあるものや、倒産隔離機能を悪用する仕組みの信託は設定できません。そのような信託という名の法律行為は無効であったり取り消されることになります。
信託は、設定後には受益者と受託者の信認関係(信頼関係)が必要ですが、嘱託人の中にはこの信認関係のない信託を設定しようとするものもいます。また、財産隠しを狙ったスキームを強引に設定しようというものもいます。詐害信託のおそれのあるものや、倒産隔離機能を悪用する仕組みの信託は設定できません。そのような信託という名の法律行為は無効であったり取り消されることになります。
信託は、必要なときに、必要な範囲で使うものだと考えています。信託の証書を作成するにあたり、法定されている脱法信託や詐害信託等に当たらないというだけでなく、信託の目的や信託財産等の関係からして、何のために信託を使うのか、合理的説明ができていないものは、利用すべきでないと考え、対応させてもらっています。
信託という名のもとに、契約をしたとしても信託制度の保護は受けられません。
信託という名のもとに、契約をしたとしても信託制度の保護は受けられません。
当法律事務所の弁護士は、遺言や任意後見契約だけでも3000件を超える公正証書を作成し、しかもこの新しい信託制度であるにもかかわらず、すでに100件を超える信託契約公正証書や遺言信託の公正証書を自ら作成し、その経験は十分にあります。
気軽に、ご相談ください。
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